前回の記事でご紹介した「瞑想」にはチャレンジして頂けましたか?
今回ご紹介する「筆記開示」は瞑想よりも手軽にできて、毎日続けやすいものになっています。
さらに、筆記開示は些細なストレスにはもちろん、根深いトラウマにまで効果があります。
トラウマを抱えていて、毎日思い出すから辛い
トラウマがあるから、人と深く関わることが怖い
とにかく人間関係のストレスの悩みを解決したい
このように、さまざまな悩みを抱えていらっしゃる方におすすめな「筆記開示」をこれからご紹介します。
PTSD・トラウマとは?
筆記開示の説明に入る前に、PTSD・トラウマについて解説します。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、強烈なショック体験・強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。
震災などの自然災害、いじめ、職場や家庭でのパワハラ・モラハラ、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれています。
突然、怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないといった症状が出てきます。
とてもつらい体験によって、誰でも眠れなくなったり食欲がなくなったりするものですが、それが何カ月も続くときは、PTSDの可能性があります。
ストレスとなる出来事を経験してから数週間、ときには何年もたってから症状が出ることもあります。
私も、学生時代いじめられた経験や、職場での上司からのパワハラが、ふとした瞬間に頭の中によぎる(フラッシュバックする)ことがあります。そうすると、手の震えや動悸、吐き気などの症状が現れ、日常生活に支障が出ることがありました。
また、PTSDの診断までに至らない場合は、トラウマ関連障害と言います。
トラウマ関連障害がきっかけで、うつ病が長引いたり、摂食障害が発症することもあります。
このように、精神的なダメージは肉体的にも大きな影響を及ぼし、日常生活の妨げとなったり、体調を崩す原因となってしまうのです。
しかし、そんな厄介なPTSDやトラウマの辛さ・痛みを、これからご紹介する「筆記開示」で軽減させることができます。
それに加え、様々なストレスにも効果がありますのでぜひ、チャレンジしてみて下さい!
心が軽くなる筆記開示~エクスプレッシブ・ライティング~
筆記開示は、1980年代に心理療法の世界で生まれた記録術で、英語では「エクスプレッシブ・ライティング」と言います。
筆記開示の効果
筆記開示(エクスプレッシブ・ライティング)の効果ですが、生みの親であるジェームズ・ペネベーガー博士はこのように言っています。
「数々の研究により、『エクスプレッシブ・ライティング』を行った被験者は幸福感が高まり、ネガティブな感情が減った。さらには、『エクスプレッシブ・ライティング』を始めてから数週間から数ヶ月でうつや不安が改善し、ストレスがおだやかになる傾向も見られた。その他の研究でも、全体的な幸福感の高まりや、認知機能の改善などが確認されている」
出典元:超ストレス解消法
いかがでしょうか?このように筆記開示(エクスプレッシブ・ライティング)の効果は様々な研究で確認されています。
書くことによって、トラウマやストレスとなる経験を客観的に見れるようになり、精神的な辛さを軽減できるからですね。
鈴木祐さんの『超ストレス解消法』という本に詳しく書かれていますので、参考に見てみましょう。
筆記開示を実践すれば、ストレス解消とともに幸福感が味わえ、さらに頭まで良くなってしまうとまで言われているのですから、実践しないのはもったいないですよね!
早速実際の方法を見ていきましょう。
筆記開示の方法
まずは、紙とペンを準備します。 毎日書くために私は紙よりノートをおすすめします。
書いていただく内容がこちらです。
自分が体験したネガティブな経験について、その時に抱いた感情や思考を包み隠さず書き記す
出典元:超ストレス解消法
ここでは、どんなことを書いても構いません。
・子供の頃にいじめられた経験を思い出してしまう!辛くてしんどい
・職場の同僚に陰口を言われている!悲しい
・仕事で成果を出しているのに、上司が評価してくれない!腹が立つ
・こんなに育児を頑張っているのに子供が言うことをきいてくれない!イライラする
このように、イライラしたことやネガティブに感じた出来事が頭に浮かぶと思います。書きたいと思ったことを素直に書きましょう。
書き方の例文
具体的な書き方がイメージしにくいと思うので、実際に私が書いた例文をご紹介しますね。
このような感じですね。難しく考えず、本当に自由に書いていいのです。
長文を書くのが苦手な方は、箇条書きもおすすめです。
ポイン トを押さえよう
筆記開示(エクスプレッシブ・ライティング)には押さえるべきポイントが2つあります。
これらを無視してしまうと、効果が出ないことがありますので、しっかり頭に入れましょう。
まずは4日間だけ続けよう
最低でも4日間は続けないと効果が発揮されません。
仕事終わりや、家事が終わったとき、寝る前に行うなど、タイミングを決めて習慣にしてしまうのがおすすめです。
1日20分は書こう
必ず1日20分は書き続けてください。
漢字が分からない、誤字脱字、文章が上手い・下手などは一切気にしなくて良いです。 ひたすら自分の感じていることをノンストップで書くのがコツです。
筆記開示を1ヶ月間続けてみて起きた変化
・PTSDによるフラッシュバックが、かなり減った
・人間関係のストレスがほぼ無くなった(相手の感情に振り回されなくなった)
・長時間、集中して作業できるようになった
・日常生活における満足感(幸福感)が上がった
筆記開示を1ヶ月間続けただけで、このように様々な嬉しい変化がありました。
私は夜寝る前に必ず行うと決めています。習慣化してしまえば楽に続けられることが分かりました。
トラウマやストレスから解放されて、自分の人生をより良いものにしたいと思った方は、ぜひ筆記開示を続けてみて下さい。
PTSD・トラウマのフラッシュバックに効く漢方薬の飲み方
瞑想と筆記開示は、どちらも特別な道具を必要としないため、簡単に始められる手軽さが魅力です。
しかし、コツを掴むこと・継続することが必要なため、目に見えるような変化がすぐに得られず悩んでしまい、やめてしまう人も少なくありません。
瞑想も筆記開示も試してみたけど、いまいちPTSDやトラウマが改善されない。
辛い記憶がフラッシュバックされて、どうしようもできない。
そんな方に、私自身も服用しているおすすめな漢方薬の飲み方をご紹介させてください。
神田橋処方
その飲み方は「神田橋処方」と呼ばれ、有名な精神科医である神田橋條治(かんだばし じょうじ)先生が発見されました。
神田橋処方は、これまで薬物療法が不可能とされてきた、PTSDやフラッシュバックといった難しい病態に、珍しく効果があると言わている処方です。
その処方とは、新しく開発された薬を使うようなものではなく、意外なことに漢方の組み合わせです。
それも、これまではもっぱら胃薬として使われてきたツムラ60番(桂枝加芍薬湯)と、冷え性などで使われてきたツムラ71番(四物湯)を同時に飲んでいただく、といった処方です。
実際に私は朝と夕の2回服用していますが、朝の1回だけでも十分効き目がありました。
副作用も軽い便秘程度でほとんどなく、飲み始めてから3日ほどでフラッシュバックが減るなど、想像していた以上に早く効いたことにも驚いています。
本気でお困りの方はぜひ、試してみてください。
注意
今回ご紹介した漢方薬の服用をご検討される方は、主治医または、かかりつけ医に必ずご相談してください。
現在服用されている薬がある方は、飲み合わせ等も聞いてみましょう。
まとめ
今回ご紹介した筆記開示(エクスプレッシブ・ライティング)はいかがでしたでしょうか?
瞑想よりも簡単にできそうと思われた方、いらっしゃると思います。
私もストレスを感じた時、不安になった時は自由奔放にノートに殴り書きをしています。
紙とペンさえあれば、どこでも気軽にできるので、皆さん試してみてください。
また、今回ご紹介した内容は『超ストレス解消法』を参考にさせていただきました。
この本では、世の中に山ほどある「ストレス解消法」の中から本当に効く100個を厳選してまとめてあります。今回の記事で「ストレス解消法」に興味を持った方は、ぜひ1度手に取ってみてください。
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